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自動車整備士の資格の種類|1級〜3級・特殊整備士と独立開業に必要な資格

公開日:2026年10月4日

自動車整備士の資格の種類 1級〜3級と特殊整備士、人に要る資格と工場に要る認証を整理

自動車整備士の資格には1級から3級と特殊整備士があり、独立を考え始めた整備士にとっては「自分の資格で工場を開けるのか」「工場を開くには資格のほかに何が要るのか」が気になるところです。この記事では、自動車整備士の資格の種類を14種類すべて整理し、それぞれの取得ルートを示したうえで、独立開業のときに人に必要な資格と、工場に必要な認証や届出を分けて説明します。1級〜3級と特殊整備士、人に要る資格と工場に要る認証を整理しておくと、開業までに足りないものが一覧で見え、準備の順番が決めやすくなります。根拠は国土交通省の案内と、道路運送車両法、自動車整備士技能検定規則などの法令です。

この記事で確認した一次情報

自動車整備士の資格の種類(全14種類)

自動車整備士の資格は、国土交通大臣が行う自動車整備士技能検定に合格して得る国家資格で、自動車整備士技能検定規則第2条により14種類が定められています。国土交通省は、これを1級、2級、3級、特殊整備士の4つに分け、3級は「自動車各装置の基本的な整備ができること」、2級は「自動車の一般的な整備ができること」、1級は「二級自動車整備士より高度な自動車の整備ができること」、特殊整備士は「各々の分野について専門的な知識・技能を有すること」と説明しています。級ごとに、扱う自動車や装置で細かく種類が分かれているのが特徴です。たとえば2級ガソリン自動車整備士の検定は、ガソリン・エンジンの普通自動車、四輪の小型自動車、三輪の小型自動車、四輪と三輪の軽自動車を対象にしています。独立開業に向けて資格を考えるときは、級の高さだけでなく、自分が扱いたい車や装置の種類に合っているかも確認します。

区分資格の種類
1級(3種類)1級大型自動車整備士/1級小型自動車整備士/1級二輪自動車整備士
2級(4種類)2級ガソリン自動車整備士/2級ジーゼル自動車整備士/2級自動車シャシ整備士/2級二輪自動車整備士
3級(4種類)3級自動車シャシ整備士/3級自動車ガソリン・エンジン整備士/3級自動車ジーゼル・エンジン整備士/3級二輪自動車整備士
特殊整備士(3種類)自動車タイヤ整備士/自動車電気装置整備士/自動車車体整備士

1級と2級の役割の違いを詳しく知りたい場合は、整備主任者になるにはもあわせて読むと、どの資格で何を任されるかがつかみやすくなります。

自動車整備士の資格の取得ルートと受験資格

自動車整備士の資格の取得ルートは、整備工場で働きながら実務経験を積んで受験する方法と、国土交通大臣の指定を受けた養成施設で学ぶ方法の2つに大きく分かれます。実務経験で目指す場合、3級は整備の実務経験6月以上(15歳以降の経験に限る)で受験でき、大学や高校の機械、電気、電子に関する学科の卒業者は3月以上に短縮されます(技能検定規則第19条)。2級は3級合格後2年以上、1級は2級合格後3年以上の実務経験が基本です。養成施設のうち、一種養成施設は実務経験のない人を対象とする専門学校や高校などで、日整連によると2級課程は1,800時間、2年以上、3級課程は900時間、1年以上です。二種養成施設は実務経験のある人を対象とした各都道府県の自動車整備振興会の技術講習所で、2級と3級の課程は90時間以上(実行110時間程度)、6か月を超えない範囲で組まれています。養成施設の課程を修了すると、修了後2年以内は実技試験が免除されます。

このほか、2級自動車シャシ整備士は3級又は自動車タイヤ整備士、自動車車体整備士の合格後1年4月以上の実務経験で受験できます(技能検定規則第18条第2項)。特殊整備士は、受けようとする装置の整備作業に関し1年4月以上の実務経験が基本の条件です(同第19条の2)。

国土交通省が公表している令和8年度の国の技能検定の実施計画では、試験種目は2級自動車シャシ整備士で、学科試験が令和8年9月16日、実技試験が令和8年11月15日の予定です。そのほかの種類は、日本自動車整備振興会連合会(日整連)の登録試験に合格して国の検定試験の免除を受ける形で取得する流れになります。日整連の案内では、自動車タイヤ整備士の登録試験は現在実施されていません。

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特殊整備士(タイヤ・電気装置・車体)の役割

特殊整備士とは、自動車タイヤ整備士、自動車電気装置整備士、自動車車体整備士の3種類の資格の総称で、国土交通省はそれぞれの分野について専門的な知識と技能を持つ者と位置づけています。受験資格は、受けようとする装置の整備作業に関し1年4月以上の実務経験が基本です(技能検定規則第19条の2)。独立開業の場面で特殊整備士が意味を持つのは、2020年4月に始まった特定整備制度の電子制御装置整備です。施行規則第62条の2の2をみると、電子制御装置整備に限った事業場では、1級(1級二輪を除く)の合格者のほか、車体整備士や電気装置整備士、2級、1級二輪の合格者でも、運輸支局長の講習を終えていれば整備主任者として認められます。鈑金塗装やガラス、電装を専門にしてきた人が、エーミングを含む電子制御装置整備の工場として独立する道は、この規定によって開かれています。

事業場の区分整備主任者になれる人(施行規則第62条の2の2)
分解整備を行う事業場1級又は2級の合格者(原動機の分解整備では2級シャシのみは不可)
電子制御装置整備を行う事業場1級(1級二輪を除く)の合格者、又は1級二輪、2級、車体整備士、電気装置整備士の合格者で講習修了者
分解整備と電子制御装置整備を行う事業場1級(1級二輪を除く)の合格者、又は1級二輪、2級の合格者で講習修了者

特殊整備士の合格は3級の受験資格にもつながります。技能検定規則第19条は、自動車タイヤ整備士又は自動車車体整備士の合格者に3級自動車シャシ整備士の受験資格を認め、自動車電気装置整備士の合格者には3級のガソリン・エンジン整備士とジーゼル・エンジン整備士の受験資格を認めています。電子制御装置整備の内容はエーミングと特定整備で詳しく扱っています。

独立開業で必要な資格と工場側に必要な認証

独立開業で必要になるものは、人が持つ資格と、工場(事業場)が受ける認証や届出の2つに分けて考えると整理できます。自動車整備士の資格は個人が技能検定に合格して得るもので、勤め先が変わっても失われません。これに対し、分解整備や電子制御装置整備を行う自動車特定整備事業は、事業場ごとに地方運輸局長の認証を受ける必要があります(道路運送車両法第78条)。認証の基準は、作業場や工具などの設備と、従業員の資格や人数です(施行規則第57条)。分解整備をする工場なら、特定整備に携わる人が最低2人要り、そのうち少なくとも1人は1級か2級の合格者で、さらに1級から3級までの合格者が全従業員の4分の1を下回らないようにします。2級整備士が1人で独立を考えるなら、もう1人の従業員をどう確保するかが、資格より先に決めておきたい課題になります。

区分必要なもの手続き先・根拠
人の資格1級又は2級整備士(整備主任者になる人)、従業員の1〜3級整備士国土交通大臣の技能検定(技能検定規則)
工場の認証自動車特定整備事業の認証(分解整備、電子制御装置整備)地方運輸局長(道路運送車両法第78条〜第80条)
整備主任者の届出整備主任者の氏名、統括管理業務の開始日など運輸監理部長又は運輸支局長。事業開始日から15日以内(施行規則第62条の2の2第2項)
税務の届出(個人の場合)個人事業の開業届出書、必要に応じ青色申告承認申請書納税地の所轄税務署長(国税庁)

税務の届出について、国税庁は個人事業の開業届出書の提出時期を「事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限まで」と案内しています。青色申告承認申請書は、原則として青色申告をしようとする年の3月15日まで、その年の1月16日以後に開業した場合は開業日から2月以内が期限です。認証取得の具体的な流れは認証工場の取得方法と流れ、2人目の従業員の探し方は整備士の求人・採用で扱っています。

開業後に必要になる資格と研修

開業後も、整備主任者には毎年度の研修が続きます。道路運送車両法施行規則第62条の2の2第1項第8号は、整備主任者として新たに届け出た者と、最後に研修を受けた日の属する年度の末日を過ぎた者に、運輸監理部長又は運輸支局長が行う研修を受けさせるよう事業者に求めています。独立後は自分が整備主任者を兼ねることが多いため、この研修日程は毎年の予定に組み込んでおきます。電子制御装置整備を始めるときは、2級などの合格者は資格取得講習の修了が必要です(一級小型自動車整備士は受講免除)。将来指定工場を目指す場合は、自動車検査員の選任が必要になり、検査員になるには整備主任者としての実務経験と地方運輸局長が行う教習の修了が求められます(指定自動車整備事業規則第4条)。開業時に全部をそろえる必要はなく、事業の広げ方に合わせて段階的に取得していけます。

時期で並べると、整備主任者研修は届け出た年度から毎年度受けます。電子制御装置整備の資格取得講習は、その整備を始めるときに受けます(一級小型は免除)。自動車検査員の教習は指定工場を目指すときに、1級の取得は電子制御装置整備や指定工場を見据えたときに検討すれば間に合います。

検査員の要件の詳細は自動車検査員になるには、認証工場の全体像は認証工場とはで確認できます。

まとめ

自動車整備士の資格の種類は、1級3種類、2級4種類、3級4種類、特殊整備士3種類の全14種類です。独立開業で押さえておきたいのは、人の資格と工場の認証を分けて考えることです。人の資格では、1級又は2級を持っていれば分解整備の整備主任者になれ、車体整備士や電気装置整備士も講習を修了すれば電子制御装置整備だけを行う事業場の整備主任者になれます。工場の側では、事業場ごとの認証、2人以上の従業員、整備主任者の届出、税務署への開業届が必要です。2級を持つ整備士であれば資格の条件はすでに満たしているので、独立を考え始めた今の段階では、作業場、工具、2人目の従業員の3つを中心に準備を進めると、開業までの道筋がはっきりします。3級の人は、2級の受験資格がいつそろうかを確認するところから始めてください。

自動車整備士の資格の種類に関するよくある質問

自動車整備士の資格は全部で何種類ありますか?
自動車整備士技能検定規則第2条が定める種類は14です。1級が大型、小型、二輪の3種類、2級がガソリン、ジーゼル、自動車シャシ、二輪の4種類、3級が自動車シャシ、ガソリン・エンジン、ジーゼル・エンジン、二輪の4種類、特殊整備士がタイヤ、電気装置、車体の3種類です。
整備士の資格がなくても整備工場を開業できますか?
分解整備や電子制御装置整備を行う事業は、事業場ごとに地方運輸局長の認証が必要です(道路運送車両法第78条)。認証基準では、1級又は2級(電子制御装置整備では講習修了者等を含む)の合格者を少なくとも1人置くことが求められるため、経営者本人が無資格でも、要件を満たす整備士を雇えば認証の対象になり得ます。
3級整備士で独立できますか?
3級だけでは整備主任者になれないため、分解整備の認証を受けるには1級又は2級の合格者が別に必要です。3級合格後2年以上の実務経験で2級を受験できるので(技能検定規則第18条)、独立を考え始めた段階で2級の取得計画を立てておくと進めやすくなります。
車体整備士は電子制御装置整備の整備主任者になれますか?
なれます。電子制御装置整備に限った事業場であれば、車体整備士や電気装置整備士の合格者でも、運輸支局長の講習を終えると整備主任者の要件を満たします(道路運送車両法施行規則第62条の2の2)。分解整備も行う事業場では、1級又は2級の合格者であることが条件になります。
独立開業したら税務署に何を出しますか?
個人で開業する場合は「個人事業の開業届出書」を出します。国税庁の案内では、提出時期は事業開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までです。青色申告をするなら「青色申告承認申請書」を、原則として青色申告をしようとする年の3月15日まで(1月16日以後に開業した場合は開業日から2月以内)に提出します。
独立した整備工場で、顧客・車両・整備記録の管理はどうすればよいですか?
販売する車の仕入れ値・整備費・売値、顧客の情報、注文書や保証書を1か所で扱えるのが車両販売システム(車販ソフト)です。整備も行う場合は自動車整備システム(自動車整備ソフト)とデータがつながるかを確認します。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなしで始められるか、開業時の台数に合うかも確かめてください。

出典

この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月4日確認)。

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