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整備工場の用途地域と建築基準法|自動車修理工場を建てられる地域と作業場の床面積の上限

公開日:2026年10月24日

整備工場の用途地域と建築基準法 自動車修理工場を建てられる地域と床面積の上限

整備工場を建てたり、既存の建物を整備工場として使ったりできるかは、建築基準法の用途地域の決まりで決まります。建築基準法別表第二では、自動車修理工場は住居専用の地域では原則として建てられず、第一種・第二種住居地域では原動機を使う作業場の床面積50平方メートルまで、準住居地域では150平方メートルまで、近隣商業地域と商業地域では300平方メートルまでといった上限があります。この記事では、独立して整備工場の物件を探す人に向けて、建築基準法と施行令の条文を確かめながら、用途地域ごとの扱い、床面積のほかに気をつける原動機や空気圧縮機の制限、居抜き物件で確かめること、市役所の建築指導課などで確認する手順を整理します。最終的な判断は物件ごとに特定行政庁が行うため、契約前に必ず窓口で確認してください。

この記事で確認した一次情報

整備工場の用途地域とは

用途地域とは、都市計画法にもとづいて市町村などが定める土地の使い方の区分で、建築基準法第48条と別表第二により、それぞれの地域に建てられる建物と建てられない建物が決まっています。用途地域は全部で13種類あり、住居系が8種類(第一種・第二種低層住居専用地域、第一種・第二種中高層住居専用地域、第一種・第二種住居地域、準住居地域、田園住居地域)、商業系が2種類(近隣商業地域、商業地域)、工業系が3種類(準工業地域、工業地域、工業専用地域)です。整備工場は建築基準法の上では「自動車修理工場」として扱われ、別表第二には「作業場の床面積の合計が百五十平方メートルを超えない自動車修理工場」(準住居地域)や「作業場の床面積の合計が三百平方メートルを超えない自動車修理工場」(近隣商業地域・商業地域)のように、自動車修理工場を名指しした例外が書かれています。工業系の地域では、整備工場は床面積の上限なく建てられます。認証工場の作業場の基準を満たす広さがあっても、用途地域の上限を超えると、その建物を整備工場として使えないことがある点に注意が必要です。

用途地域ごとの自動車修理工場の扱い

用途地域ごとの自動車修理工場の扱いは、建築基準法別表第二の各項を読むと次のように整理できます。第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域、第一種中高層住居専用地域は、建てられる建物を列挙する形の決まりで、その中に工場は入っていません。第二種中高層住居専用地域は工場を建ててはならないとし、例外は施行令第130条の6で定めるパン屋や豆腐屋などの食品製造業に限られます。第一種・第二種住居地域は、原動機を使う工場で作業場の床面積の合計が50平方メートルを超えるものを建ててはならないとしています。準住居地域は同じく50平方メートルを上限としつつ、作業場の床面積の合計が150平方メートルを超えない自動車修理工場を除くとしています。近隣商業地域と商業地域は、原動機を使う工場の作業場150平方メートルを上限とし、300平方メートル以下の自動車修理工場を除いています。準工業地域、工業地域、工業専用地域では、別表第二で挙げられた危険性の高い事業を除けば、自動車修理工場に床面積の上限はありません。

用途地域 自動車修理工場の扱い(建築基準法別表第二)
第一種低層住居専用地域 建てられない((い)項に工場がない)
第二種低層住居専用地域 建てられない((ろ)項に工場がない)
田園住居地域 建てられない((ち)項に工場がない)
第一種中高層住居専用地域 建てられない((は)項に工場がない)
第二種中高層住居専用地域 建てられない(工場は施行令第130条の6の食品製造業などに限る)
第一種住居地域 原動機を使う作業場の床面積50㎡以下
第二種住居地域 原動機を使う作業場の床面積50㎡以下
準住居地域 作業場の床面積150㎡以下
近隣商業地域 作業場の床面積300㎡以下
商業地域 作業場の床面積300㎡以下
準工業地域 床面積の上限なし((る)項の危険な事業を除く)
工業地域 床面積の上限なし
工業専用地域 床面積の上限なし

表は建築基準法別表第二の条文を要約したものです。特別用途地区や地区計画が定められている場所では、市町村の条例で別の制限が加わることがあります(建築基準法第49条、第68条の2)。

作業場の床面積と原動機・空気圧縮機の制限

整備工場の用途地域を確かめるときは、作業場の床面積の上限に加えて、使う機械の制限も見る必要があります。別表第二の(と)項第3号は、準住居地域に建ててはならない工場として、原動機の出力の合計が1.5キロワットを超える空気圧縮機を使う作業、原動機を使う2台以下の研磨機による金属の乾燥研磨、出力の合計が0.75キロワット以下の原動機を使う塗料の吹付などを挙げています。この(と)項第3号は第一種・第二種住居地域にも当てはまるため、住居系の地域では、作業場が50平方メートル以下でも、整備工場で使うことの多いエアコンプレッサーの出力によっては建てられないことになります。準住居地域については施行令第130条の8の3で、国土交通大臣が防音上有効な構造と認めて指定する空気圧縮機で、原動機の出力の合計が7.5キロワット以下のものを使う事業は除くとされています。近隣商業地域と商業地域でも、出力の合計が0.75キロワットを超える原動機を使う塗料の吹付は建ててはならない工場に入っています。また、ここでいう床面積は作業場の床面積で、建物全体の延べ面積とは別に数えます。事務所や待合室、部品庫を作業場に含めるかどうかは、窓口で図面を見せて確かめます。

鈑金塗装まで手がける場合は、塗装の設備や塗料の保管に別の決まりがかかります。塗装ブースや開業の手続きは、鈑金塗装の開業支援サイトの塗装ブースの記事と鈑金塗装工場を開業するにはで扱っています。

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居抜き物件で整備工場の用途地域を確かめること

居抜き物件で整備工場を始めるときは、前の入居者が整備工場として使っていたことだけで安心せず、今の用途地域と、建物が建築当時の決まりに合っていたかを確かめます。用途地域は都市計画の見直しで変わることがあり、建てた当時は適法でも、今の決まりには合わない「既存不適格」の建物になっている場合があります。既存不適格の建物は、今の使い方を続けるだけなら問題になりにくい一方、増築や大規模な改修のときに今の決まりが当てはまり、作業場を広げられないことがあります。倉庫や店舗だった建物を整備工場に変える場合は、建築基準法第87条の用途変更の手続きが関わります。自動車修理工場は別表第一の特殊建築物に含まれ、用途を変える部分の床面積の合計が200平方メートルを超えると、建築確認の手続きが必要です(第6条第1項第1号、第87条第1項)。施行令第137条の18の「確認を要しない類似の用途」に自動車修理工場は入っていません。市街化調整区域にある物件は、都市計画法第43条で、許可を受けずに建物の用途を変えることが制限されています。物件の探し方全体は整備工場の居抜き物件・売り物件の探し方にまとめています。

  • 物件の用途地域と、特別用途地区・地区計画の有無
  • 作業場として使う部分の床面積の合計
  • 使う予定のエアコンプレッサーの原動機の出力
  • 建物の検査済証と、確認申請のときの用途
  • 用途を変える部分の床面積が200㎡を超えるか
  • 市街化調整区域に入っていないか

市役所の建築指導課で用途地域を確認する手順

整備工場の物件の用途地域は、市役所の窓口で次の順に確かめます。まず、市区町村が公開している都市計画図や、都市計画課の窓口で、物件の所在地の用途地域、特別用途地区、地区計画、市街化調整区域かどうかを調べます。インターネットで都市計画図を公開している市町村もありますが、境界付近の物件は窓口で確かめたほうが確実です。次に、建築指導課(市町村によって名前が違い、建築審査課や建築安全課などのこともあります)で、作業場の床面積と使う機械を伝えて、自動車修理工場として使えるかを相談します。このとき、物件の住所、建物の平面図、作業場として使う範囲、エアコンプレッサーなどの原動機の出力、建物の検査済証の有無を持っていくと話が早く進みます。建築確認や用途変更の手続きが要ると言われたら、建築士に依頼して進めます。建築基準法の確認や許可の権限を持つ特定行政庁は、建築主事を置く市町村ならその市町村、置いていない市町村なら都道府県なので、窓口が県の土木事務所になる場合もあります。

順番 窓口 確かめること
1 都市計画課(都市計画図) 用途地域、特別用途地区、地区計画、市街化調整区域
2 建築指導課など 自動車修理工場として使えるか、作業場の面積、機械の出力
3 建築指導課など 用途変更や増改築に建築確認が要るか、既存不適格か
4 建築士 確認申請の図面と手続き
5 管轄の運輸支局・整備振興会 認証工場の作業場の寸法と設備の基準を満たすか

用途地域の確認と並行して、認証工場の作業場の寸法や車両置場の広さが確保できるかも確かめます。基準は認証工場の条件一覧、申請の流れは認証工場の取得方法と流れにまとめています。

用途地域の制限を超える整備工場と特例許可

用途地域の制限を超える整備工場は、原則として建てられませんが、建築基準法第48条の各項のただし書により、特定行政庁が環境を害するおそれがないなどと認めて許可した場合は例外として建てられます。この許可(特例許可)をするとき、特定行政庁は利害関係者の意見を公開で聴き、建築審査会の同意を得なければなりません(第48条第15項)。ただし第48条第16項第2号と施行令第130条第2項第3号により、第一種・第二種住居地域と準住居地域の自動車修理工場で、騒音や振動を防ぐための国土交通省令で定める措置がとられているものについては、建築審査会の同意を要しないとされています。住宅地の近くで暮らしに必要な建物として扱われているためですが、意見の聴取は残り、許可が出るかどうかは個別の判断です。時間と費用がかかり、許可が出る保証もないので、独立して最初の工場を探す段階では、用途地域の上限の中で使える物件を選ぶのが現実的です。

整備工場の用途地域に関するよくある質問

整備工場はどの用途地域なら建てられますか?
建築基準法別表第二では、準工業地域、工業地域、工業専用地域なら床面積の上限なく建てられます。近隣商業地域と商業地域は作業場300㎡以下、準住居地域は150㎡以下、第一種・第二種住居地域は原動機を使う作業場50㎡以下です。住居専用の地域と田園住居地域では、原則として建てられません。
第一種住居地域で小さな整備工場を開けますか?
原動機を使う作業場の床面積が50㎡以下なら、床面積の制限には収まります。ただし、原動機の出力の合計が1.5キロワットを超える空気圧縮機を使う作業や、原動機を使う研磨機による金属の乾燥研磨なども制限されるため、使う機械を窓口に伝えて確かめてください。
前も整備工場だった居抜き物件なら、用途地域を確かめなくてよいですか?
確かめる必要があります。都市計画の見直しで用途地域が変わり、既存不適格になっていることがあります。その場合、使い続けられても、増築や大規模な改修で作業場を広げられないことがあります。
倉庫を整備工場に変えるのに手続きは要りますか?
自動車修理工場は建築基準法の特殊建築物にあたり、用途を変える部分の床面積の合計が200㎡を超えると、第87条により建築確認の手続きが必要です。200㎡以下でも用途地域の制限は当てはまります。
物件を決めた後、開業の準備で先に整えておくことはありますか?
物件と認証の準備と並行して、お客様と車両の情報、車検の満了日、見積・請求を管理する仕組みを決めておくと、開業直後から入庫を受けやすくなります。自動車整備システム(自動車整備ソフト)を選ぶときは、整備ソフト おすすめの情報だけでなく、整備システム リースなしで始められて、開業時の固定費を増やしすぎないかも確かめてください。

出典

この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月24日確認)。

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