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認証工場の条件一覧|作業場の寸法・車両置場・工具・整備士の人数を施行規則第57条で確認

公開日:2026年10月4日

認証工場の条件一覧 作業場の寸法と整備士の人数を施行規則第57条と別表で確認

整備士として独立し、自分の整備工場で分解整備をするには、地方運輸局長の認証を受けた「認証工場」になる必要があります。独立を考え始めた段階で一番気になるのは、どれくらいの広さの場所と、何人の整備士と、どんな工具がそろえば認証を受けられるのかでしょう。答えは道路運送車両法施行規則第57条と、その別表第四と別表第五に数字で書かれています。条件は細かく見えますが、数字が決まっている分、物件探しや人集めの目標をはっきり立てられます。曖昧な部分は少なめです。この記事は「整備工場の開業・認証」シリーズの一つとして、認証工場の条件一覧を、作業場の寸法と整備士の人数を施行規則第57条と別表で確認できる形にまとめました。

この記事で確認した一次情報

認証工場の条件とは(施行規則第57条の7項目)

認証工場の条件とは、道路運送車両法第80条第1項が定める認証基準のことで、事業場の設備と従業員の基準は施行規則第57条に7つの号として書かれています。第1号が作業場と車両置場の規模、第2号が天井の高さ、第3号が床面、第4号が作業機械等、第5号が電子制御装置整備の情報入手体制、第6号が従業員の人数、第7号が整備士の資格と割合です。作業場と車両置場の寸法は別表第四、そろえる作業機械や工具は別表第五に、対象とする自動車と装置の種類ごとに数字で決まっています。この設備と従業員の基準に加えて、申請者本人が法第80条第1項第2号の欠格事由に当たらないことも条件です。地方運輸局長は、申請がこれらの基準に適合するときは認証をしなければならないと法第80条に書かれているため、基準を満たせば認証を受けられる仕組みになっています。裁量で落とされる試験とは性格が違います。

施行規則第57条条件の内容
第1号特定整備をする自動車を収容できる十分な場所と、別表第四の規模の屋内作業場(分解整備)又は電子制御装置点検整備作業場、車両置場を有する
第2号屋内作業場と電子制御装置点検整備作業場の天井は、対象とする自動車の特定整備や点検に十分な高さがある(数値の定めはない)
第3号屋内作業場と電子制御装置点検整備作業場の床面が平滑に舗装されている
第4号別表第五の作業機械等を備え、国土交通大臣が定めるものは技術上の基準に適合している
第5号電子制御装置整備をする場合は、型式固有の技術情報とエーミング作業に必要な機器を入手できる体制がある
第6号特定整備に従事する従業員が2人以上いる
第7号一級又は二級の整備士が1人以上いて、整備士の数が従業員数の4分の1以上ある(区分ごとに要件が異なる)

認証は「自動車特定整備事業の種類」と「事業場」ごとに受けます(法第78条第1項)。事業の種類は普通自動車特定整備事業、小型自動車特定整備事業、軽自動車特定整備事業の3つです(法第77条)。どの種類で、どの車種を対象にするかで、必要な作業場の寸法も変わります。まず対象を決めましょう。

認証工場の作業場の寸法(別表第四・対象車種別)

認証工場の屋内作業場は、車両整備作業場、部品整備作業場、点検作業場の3つで構成され、その規模は施行規則別表第四に対象自動車の種類と装置の種類ごとに定められています。たとえば普通自動車(乗用)で原動機を含む分解整備をする場合、車両整備作業場と点検作業場はそれぞれ間口4メートル以上、奥行8メートル以上、部品整備作業場は8平方メートル以上、車両置場は間口3メートル以上、奥行5.5メートル以上です。別表第四の備考は、2種類以上の特定整備を行う事業場は、該当する種類ごとの基準のすべてに適合しなければならないとしています。原動機の基準が最も大きいため、エンジンを含めて全装置を扱うなら原動機の欄の数字が実質的な最低ラインになります。国土交通省の特定整備制度概要にも、乗用車の例として同じ数字の早見表が載っています。

原動機を含む分解整備の場合

対象とする自動車(別表第四の区分)屋内作業場と車両置場の規模(間口×奥行、すべて以上)
普通自動車(車両総重量8トン以上、最大積載量5トン以上又は乗車定員30人以上)車両整備作業場と点検作業場は各5m×13m、部品整備作業場は12㎡、車両置場は3.5m×11m
普通自動車(最大積載量2トン超又は乗車定員11人以上で上記以外)車両整備作業場と点検作業場は各5m×10m、部品整備作業場は12㎡、車両置場は3.5m×8m
普通自動車(貨物用、特種用途で上記以外)車両整備作業場と点検作業場は各4.5m×8m、部品整備作業場は10㎡、車両置場は3m×6m
普通自動車(上記以外、いわゆる乗用)車両整備作業場と点検作業場は各4m×8m、部品整備作業場は8㎡、車両置場は3m×5.5m
四輪の小型自動車車両整備作業場と点検作業場は各4m×8m、部品整備作業場は8㎡、車両置場は3m×5.5m
三輪の小型自動車車両整備作業場と点検作業場は各4m×8m、部品整備作業場は8㎡、車両置場は3m×5.5m
二輪の小型自動車車両整備作業場と点検作業場は各3m×3.5m、部品整備作業場は4㎡、車両置場は2m×2.5m
軽自動車車両整備作業場と点検作業場は各3.5m×5m、部品整備作業場は6.5㎡、車両置場は2.5m×3.5m

原動機を扱わない場合(乗用車と軽自動車の例)

対象とする自動車と装置車両整備作業場と点検作業場、部品整備作業場の規模
普通自動車(乗用)、四輪の小型自動車の動力伝達装置各4m×6m以上、部品整備作業場は5㎡以上
普通自動車(乗用)、四輪の小型自動車の走行装置、操縦装置、制動装置、緩衝装置、連結装置各2.8m×6.5m以上、部品整備作業場は5㎡以上
軽自動車の動力伝達装置各3.5m×4.4m以上、部品整備作業場は4.5㎡以上
軽自動車の走行装置、操縦装置、制動装置、緩衝装置、連結装置各2.5m×4.7m以上、部品整備作業場は4.5㎡以上

電子制御装置整備(エーミングなど)も行う場合は、別に電子制御装置点検整備作業場の基準があります。普通自動車(乗用)と四輪の小型自動車は間口2.5メートル以上、奥行6メートル以上で、そのうち屋内は間口2.5メートル以上、奥行3メートル以上、軽自動車は間口2メートル以上、奥行5.5メートル以上(屋内は奥行4メートル以上)です。この作業場は屋内作業場の車両整備作業場と点検作業場との兼用が認められています(第57条第1号ロ)。詳しい取り方はエーミング・特定整備の記事で扱っています。

天井の高さと床面には数値の基準がありません。第2号は「特定整備又は点検を実施するのに十分であること」、第3号は「平滑に舗装されていること」です。指導要領は、フレーム修正機や埋込式固定治具、レールが設置された床でも整備作業に支障がなければ平滑な床面とみなしてよいとしています。

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認証工場に必要な作業機械・工具(別表第五)

認証工場に必要な作業機械等は、施行規則別表第五に「作業機械」「作業計器」「点検計器及び点検装置」「工具」の4つの区分で一覧になっています。どれが必要かは、対象とする装置の種類ごとに○印で決まり、原動機を含む分解整備をする事業場ほど品目が多くなります。電子制御装置整備だけを行う場合に必要なものは水準器と整備用スキャンツールの2点だと、近畿運輸局の説明資料が案内しています。整備用スキャンツールは別表第五の点検計器の第13号に挙がっており、国土交通省の概要資料は、少なくとも1車種以上でOBD検査の対象装置の点検と整備ができる性能があればよいとしています。一酸化炭素測定器と炭化水素測定器は、第57条第4号により国土交通大臣が定める技術上の基準への適合が求められ、申請時に基準適合を証する書面を添付します。

区分別表第五に挙がっている品目
作業機械プレス、エアコンプレッサ、チェーンブロック、ジャッキ、バイス、充電器
作業計器ノギス、トルクレンチ、水準器
点検計器及び点検装置サーキットテスタ、比重計又はバッテリテスタ、コンプレッションゲージ、ハンディバキュームポンプ、エンジンタコテスタ又は整備用スキャンツール、タイミングライト又は整備用スキャンツール、シックネスゲージ、ダイヤルゲージ、タイヤゲージ、検車装置、一酸化炭素測定器、炭化水素測定器、整備用スキャンツール
工具ホイールプーラ、ベアリングレースプーラ、グリースガン又はシャシルブリケータ、部品洗浄槽

別表第五には除外の備考もあります。たとえば、ガソリン又は液化石油ガスを燃料とする原動機の点検を行わない事業場は、タイミングライト等と一酸化炭素測定器、炭化水素測定器が除かれます。小型自動車特定整備事業と軽自動車特定整備事業では、工具の第1号から第3号が除かれる旨の備考が置かれています。対象とする装置ごとの○印の付き方は表の形でしか確認できないため、購入前に別表第五の原文を見て、管轄の運輸支局で確かめるのが確実です。品目ごとの選び方や中古で買うときの注意は認証工場の設備・工具一覧にまとめています。

認証工場の従業員数と整備士の割合

認証工場の従業員の条件は、特定整備に従事する従業員が2人以上いること(第57条第6号)と、整備士の資格と人数の割合(第7号)の2つです。分解整備を行う事業場では、一級又は二級の自動車整備士が少なくとも1人必要で、原動機を対象にする場合は二級自動車シャシ整備士ではこの1人に数えられません。さらに、一級、二級、三級の自動車整備士の数が、従業員の数を4で割った数以上であることが求められます。割った数に1未満の端数が出たときは1とするため、従業員5人なら1.25で整備士2人以上になります。近畿運輸局の説明資料は、ここでいう従業員を実際に整備に携わる人とし、事務や営業の担当は含まないとしています。独立直後の2人体制なら、二級整備士の本人ともう1人という形で人数の条件を満たせます。2人いれば始められます。

  • 従業員が2人から4人なら、4で割った数は0.5から1なので、整備士は1人以上で足ります。
  • 従業員が5人から8人なら、4で割った数は1.25から2になり、整備士は2人以上必要です。
  • 従業員が9人から12人なら、4で割った数は2.25から3になり、整備士は3人以上必要です。
事業場の区分(第57条第7号)少なくとも1人必要な有資格者割合に数える資格
分解整備のみ一級又は二級の自動車整備士(原動機を対象にする場合、二級シャシを除く)一級、二級、三級の自動車整備士
電子制御装置整備のみ一級の自動車整備士(一級二輪を除く)、又は一級二輪、二級、車体整備士、電気装置整備士で講習を修了した者一級、二級、三級の自動車整備士、自動車車体整備士、自動車電気装置整備士
分解整備と電子制御装置整備の両方一級の自動車整備士(一級二輪を除く)、又は一級二輪、二級で講習を修了した者一級、二級、三級の自動車整備士

認証工場の整備主任者の条件

整備主任者とは、事業場で特定整備と特定整備記録簿の記載に関する事項を統括管理する人で、施行規則第62条の2の2第1項第7号により事業場ごとに選ぶことが義務になっています。分解整備を行う事業場では一級又は二級の自動車整備士の技能検定に合格した人がなれます。電子制御装置整備を行う事業場では、一級(二輪を除く)か、一級二輪、二級、車体整備士、電気装置整備士で運輸支局長等の講習を修了した人が条件です。両方を行う事業場では、一級(二輪を除く)か、一級二輪又は二級で講習を修了した人に限られます。整備主任者は他の事業場の整備主任者を兼ねられません。選任や変更をしたときは、事業開始の日又は変更の日から15日以内に運輸支局長等へ届け出ます(同条第2項)。届け出た整備主任者には、運輸支局長等が行う研修を受けさせる義務もあります。

研修は「自動車整備事業の取扱い及び指導要領」で法令研修と技術研修に分かれ、どちらも毎年度1回、法令研修は2時間以上、技術研修は実習を含めて6時間以上と定められています。独立する本人が二級整備士なら、本人が整備主任者を兼ねる形が考えられます。選任届も本人の名前で出します。資格の取り方と役割は整備主任者になるにはで詳しく説明しています。

認証工場の条件を満たしにくいときの選択肢

認証工場の条件を一度にすべて満たせないときは、認証の範囲を絞る方法があります。法第78条第2項は、対象とする自動車の種類を指定し、その他業務の範囲を限定して認証できると定めています。たとえば対象を軽自動車に絞れば、原動機を含む分解整備でも車両整備作業場は間口3.5メートル以上、奥行5メートル以上で済み、乗用の4メートル、8メートルより小さな物件で始められます。原動機を扱わず、ブレーキや足回りだけを対象にすれば、乗用でも間口2.8メートル以上、奥行6.5メートル以上です。電子制御装置点検整備作業場については、事業場から車でおおむね1時間以内の離れた場所に設けることや、他の事業者と共同使用することも指導要領で認められています。認証取得後に対象を広げる場合は事前の申請で追加でき、近畿運輸局の資料もそう案内しています。

  • 対象自動車を軽自動車や小型自動車に限定して、必要な作業場の寸法を小さくする。
  • 対象装置を限定し、原動機を外して始める。
  • 電子制御装置点検整備作業場は、離れた作業場や共同使用で確保する。
  • 前の工場の設備が残る居抜き物件を候補にする。
  • 開業後に人や設備が増えた段階で、対象自動車や装置を追加する申請をする。

認証工場の申請者の欠格事由と物件の立地

設備と人員がそろっていても、申請者が法第80条第1項第2号の欠格事由に当たると認証は受けられません。欠格事由は、1年以上の拘禁刑に処せられ、執行を終わってから2年を経過しない者、第93条により認証を取り消されてから2年を経過しない者、法人でその役員に該当者がいる場合などです。申請書には、これに該当しないことの宣誓書を付けます。物件については、近畿運輸局の説明資料が、用途地域によっては整備工場としての使用に制限がかかる場合があるとして、市区町村等での確認を求めています。農地法、都市計画法、建築基準法、水質汚濁防止法、騒音規制法や振動規制法の規制を受ける場合もあるとされているため、賃貸契約の前に役所と運輸支局の両方で確かめておくと安心です。申請の流れと書類は認証工場の取得方法と流れ、指定工場との違いは認証工場と指定工場の違いで確認できます。

まとめ

認証工場の条件は、施行規則第57条の7項目と、別表第四の作業場寸法、別表第五の作業機械等にすべて書かれています。独立する整備士が最初に決めるのは、どの車種のどの装置を対象にするかです。それによって作業場の寸法も、そろえる工具も、整備主任者の要件も決まります。乗用車の原動機まで扱うなら車両整備作業場と点検作業場は間口4メートル以上、奥行8メートル以上、車両置場は間口3メートル以上、奥行5.5メートル以上が目安になり、軽自動車だけならもっと小さい物件でも始められます。人は特定整備に従事する人が2人以上、そのうち一級か二級の整備士が1人以上いれば、2人から4人規模の工場は人数の条件を満たします。進め方は、対象車種を決める、物件の寸法を測る、工具の一覧を作る、人をそろえる、運輸支局に相談する、の順番が無理のない形です。天井の高さや手数料のように公式資料に数字がない項目は、管轄の運輸支局で確認してください。

認証工場の条件に関するよくある質問

認証工場の条件は全国どこでも同じですか?
設備と従業員の基準は道路運送車両法施行規則第57条と別表第四、別表第五で全国共通に定められています。申請は事業場を管轄する運輸支局等に出し、書類の様式や添付書類の細部は地方運輸局ごとに案内が出ています。申請前に管轄の運輸支局の整備担当へ確認してください。
1人で独立して認証工場を開けますか?
施行規則第57条第6号は、特定整備に従事する従業員を2人以上有することを求めています。近畿運輸局の説明資料では、ここでいう工員は実際に整備に携わる人を指し、事務や営業の担当は含まないとしています。雇用形態の扱いは運輸支局等に問い合わせるよう案内されているため、家族や知人に手伝ってもらう形を考えている場合は事前に相談してください。
従業員が5人なら、整備士は何人必要ですか?
一級、二級、三級の自動車整備士の数が、従業員数を4で割った数以上であることが条件です。1未満の端数は1とするため、5人なら5÷4=1.25で2人以上になります。近畿運輸局の説明資料にも同じ計算例が載っています。このほかに一級又は二級の整備士が少なくとも1人必要です。
作業場の天井の高さは何メートル必要ですか?
施行規則第57条第2号は「対象とする自動車について特定整備又は点検を実施するのに十分であること」と定めるだけで、具体的なメートル数は書かれていません。リフトを使うかどうかでも必要な高さが変わるため、物件を決める前に運輸支局で確認してください。
軽自動車だけを対象にすれば、作業場は小さくてよいのですか?
別表第四では、軽自動車の分解整備(原動機を含む)の車両整備作業場は間口3.5メートル以上、奥行5メートル以上で、普通自動車(乗用)の間口4メートル以上、奥行8メートル以上より小さく設定されています。法第78条第2項により、対象とする自動車の種類を限定した認証も受けられます。
独立した整備工場で、顧客・車両・整備記録の管理はどうすればよいですか?
販売する車の仕入れ値・整備費・売値、顧客の情報、注文書や保証書を1か所で扱えるのが車両販売システム(車販ソフト)です。整備も行う場合は自動車整備システム(自動車整備ソフト)とデータがつながるかを確認します。整備システム 比較や整備ソフト おすすめの情報を見るときは、整備ソフト 安いかどうかだけでなく、整備システム リースなしで始められるか、開業時の台数に合うかも確かめてください。

出典

この記事は次の一次情報をもとに作成しています(2026年10月4日確認)。

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