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自動車検査員になるには|要件・教習・試験と検査員不足の実態

公開日:2026年8月13日

自社で車検を完結できる指定工場(民間車検場)に不可欠なのが、完成検査を担う自動車検査員です。「自動車検査員になるにはどんな資格が必要?」「教習や試験の難易度・合格率は?」——この記事では、自動車検査員になるための要件、教習と試験の流れ、選任届、そして深刻化する検査員不足の実態と工場の対策までを、整備工場の経営・キャリアの目線で解説します。認証工場と指定工場の違いは こちらの記事 をご覧ください。

自動車検査員とは?

自動車検査員とは、指定工場で車検の「完成検査」を行い、保安基準適合証を交付する権限を持つ人のことです。指定工場は自動車検査員がいることで、車両を運輸支局へ持ち込まずに自社で車検を完結できます。検査員は、いわば「国の検査官に代わって保安基準への適合を確認する」重要な役割で、その分、なるための要件も厳格です。

自動車検査員になるための要件

自動車検査員になるには、原則として次のステップをすべて満たす必要があります。

  1. 自動車整備士の資格:1級または2級の自動車整備士であること。
  2. 整備主任者の経験:整備主任者として選任され、一定期間の実務経験があること。
  3. 自動車検査員教習の修了:地方運輸局などが実施する検査員教習を受講・修了すること。
  4. 修了審査(試験)の合格:教習の修了にあたっての審査(試験)に合格すること。
  5. 選任届の提出:指定工場で検査員として選任し、届け出ること。

ポイントは、いきなり検査員になれるわけではなく、「整備士 → 整備主任者 → 自動車検査員」という順序をたどることです。整備主任者になる手順は 整備主任者になるには で解説しています。

教習と試験の内容・難易度・合格率

自動車検査員教習では、保安基準や検査の実務、関係法令などを学びます。修了にあたっては審査(試験)があり、保安基準や検査手順に関する知識が問われます。難易度は「受ければ必ず受かる」というものではなく、しっかりとした準備が必要です。合格率や試験内容、実施時期は地域・年度によって異なるため、受講を検討する際は管轄の地方運輸局・自動車整備振興会の最新情報を必ず確認してください。「令和◯年の合格発表はいつか」といった日程も、公式の案内で確認するのが確実です。

選任届の提出

教習を修了し要件を満たしたら、指定工場で自動車検査員として選任し、選任届を運輸支局へ提出します。検査員は指定工場ごとに必要で、選任・解任の際にはその都度届け出ます。

自動車検査員の資格は失効する?更新は必要?

自動車検査員も、選任後に研修の受講が求められます。整備主任者と同様に、法令や検査に関する研修を継続的に受けることで、適切に業務を続けられます。研修を受けないままだと、業務の継続に支障が出るおそれがあります。詳しい更新・研修の扱いは管轄で確認しましょう。

自動車検査員教習の受講資格と流れ

自動車検査員教習を受けるには、1級または2級の整備士資格を持ち、整備主任者として選任されている(実務経験がある)ことが前提になります。つまり、教習を受ける段階ですでに整備主任者としての実績が必要です。流れとしては、①整備士資格の取得 → ②整備主任者に選任され経験を積む → ③検査員教習を受講 → ④修了審査に合格 → ⑤指定工場で選任、という順序になります。受講の申込先や日程は、地方運輸局・自動車整備振興会の案内で確認します。

自動車検査員の年収・月収

自動車検査員は、車検の完成検査を担える希少な人材のため、整備士のなかでも待遇面で優遇されやすい傾向があります。工場によっては検査員手当が支給され、一般の整備士より高い年収が期待できます。ただし具体的な金額は勤務先・地域・役割によって幅があります。検査員資格は「指定工場に不可欠」だからこそ、取得すると転職・キャリアの選択肢も広がります。

指定工場に検査員は何人必要?

指定工場では、検査業務を適切に行える体制として自動車検査員の選任が必要です。事業規模や検査ラインに応じて必要な人数が決まり、検査員が不在では完成検査を行えません。検査員が1人しかいない工場では、その人が休むと車検が回らないというリスクがあるため、複数の検査員を計画的に育てておくことが安定運営につながります。

自動車検査員が不足している実態

整備士不足と同じく、自動車検査員も不足が指摘されています。検査員になるには「整備主任者の経験+教習+試験」という長い道のりが必要なため、一朝一夕には増えません。ベテラン検査員の高齢化・引退が進む一方で、若手が要件を満たすまでには時間がかかり、指定工場では検査員の確保が経営課題になっています。整備士不足の背景は 整備士不足はなぜ起きたか もあわせてご覧ください。

工場が取れる検査員確保の対策

採用と育成の両面から、検査員を「自社で育てる」発想が、指定工場の安定運営につながります。

自動車検査員の主な仕事内容

自動車検査員の中心的な仕事は、指定工場に入庫した車両の完成検査です。整備が終わった車が保安基準に適合しているかを、検査ラインやテスタを使って確認し、問題がなければ保安基準適合証を交付します。単に機械を操作するだけでなく、基準への適合を最終的に判断・保証する責任を負う立場です。だからこそ厳格な要件が課され、待遇面でも評価されやすいのです。

これから自動車検査員を目指す整備士へ

検査員は、整備士のキャリアの中でも到達点のひとつです。目指すなら、まず2級以上の整備士資格を取得し、整備主任者に選任されて経験を積むことが第一歩。そのうえで検査員教習の受講・審査に臨みます。時間はかかりますが、取得すれば指定工場で不可欠な人材となり、転職・独立の選択肢も広がります。勤務先が資格取得を支援してくれるか(教習費用の補助や学習時間の確保)も、キャリアを描くうえで重要なポイントです。将来の独立を見据えるなら 整備士が独立・開業する方法 もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 自動車検査員になるにはどんな資格が必要ですか?

A. 1級または2級の自動車整備士資格に加え、整備主任者としての経験、自動車検査員教習の修了と審査(試験)の合格が必要です。そのうえで指定工場で選任・届け出ます。

Q. 1級整備士だけで自動車検査員になれますか?

A. 整備士資格だけではなれません。整備主任者としての経験と検査員教習の修了・審査合格が必要です。「整備士→整備主任者→検査員」の順に進みます。

Q. 自動車検査員試験の難易度・合格率は?

A. しっかりした準備が必要な審査で、合格率や内容は地域・年度で異なります。最新の情報は管轄の地方運輸局・整備振興会でご確認ください。

Q. 自動車検査員は国家資格ですか?

A. ベースとなる自動車整備士は国家資格です。自動車検査員は、要件を満たした整備士が教習・審査を経て指定工場で選任される立場で、車検の完成検査を行う権限を持ちます。

Q. 自動車検査員の資格は失効しますか?

A. 選任されている間は研修の受講が求められ、これを継続することで業務を続けられます。研修を受けないままだと業務継続に支障が出るおそれがあります。扱いは管轄で確認しましょう。

Q. 検査員になるまでどれくらいかかりますか?

A. 整備士資格の取得後、整備主任者として経験を積み、教習・審査を経る必要があるため、一定の年数がかかります。だからこそ工場は計画的な育成が重要になります。

まとめ

自動車検査員は、指定工場で車検の完成検査を担う重要な役割です。なるには「1級・2級整備士 → 整備主任者の経験 → 検査員教習の修了・審査合格 → 選任届」というステップが必要で、一朝一夕には増えないため、検査員不足が課題になっています。指定工場を目指すなら、整備士を計画的に育成し、検査員資格の取得を支援する体制づくりが重要です。指定工場化や人材育成でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

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